Twitterでもつぶやきましたが、寂しく、悲しいことだったのでここに記します。
話の元は私がよく通う中華料理屋さん。
そこはご主人がひとりで切り盛りしており、高速道路の工事現場が近いとあってお昼は職人さんたちで賑わっています。
夜は町ごとひっそりしていて、お店は常連さんが1・2人。
なので夕食でラーメン等を食べながら大将と雑談。
大将はコワモテだけど気さくな人で、いろんな職業を経験し、顔も広い。
たまに季節の果物なんかのおまけを出してくれたり。
以前、その大将が日頃贔屓にしてる魚屋の話をしていました。
大将)ここから2駅先に、目立たないとこなんだけどいい魚屋があるんだ。
大将)安くて旨くてね。刺身の盛り合わせ頼むと2・3人でも喰いきれねえよってくらい多い。
大将)でもこないだ行ったら店開いてないんだ。看板も降ろしちゃってるんだ。
しゃけ)お店たたんじゃったんですかね・・・
大将)暮れになると新巻鮭が飛ぶように売れててね。空の箱が店の脇にいっぱい置いてあった。
しゃけ)そりゃお得意さんがたくさんいて信頼があったってことですね。
しゃけ)その辺りはたまに行くんで今度行ったら見てきますよ。
大将)交差点のココイチのところを入って、農協を越えたあたり。地元の人しか来ないようなとこだけどいつも人がいっぱいで、多い時は車が並ぶほどなんだ。
~~今日行ってみました~~
大将の言葉通りに農協を越えたところで辺りを見渡すと魚屋らしいものは見当たらない。
十字路の角で立ち話をしてる上品な年配の女性2人組に声をかけました。
しゃけ)あの、このあたりに魚屋さんがあると聞いたんですが 。
女性)ああ、あそこね。お店たたんじゃったの。ほら、あそこ。

看板降ろしてるどころじゃない(´;д;`)
女性)私もあのお店が好きでね。安くて美味しくて。新巻鮭もよく売れてたわよ。
大将が言ってたとおりでした。
女性)お子さんも時々手伝いに来ててね。でも奥さんも手術したりで脚が悪いし、ご主人が体調崩したってことで1月だか2月にやめてしまわれたの。
女性)ご主人は料亭で修行なさっててその後この場所に建物借りてお店を開いたの。その場で捌いてすぐ出してくれて、素敵なお店・素敵なご夫婦だったのよ。
しゃけ)そうでしたか。いい魚屋さんがあるって聞いたので来たんですが・・・残念です。
しゃけ)お子さんは跡継ぎにはならなかったんですね。なったとしてもお得意様との信頼関係もあるし・・・
女性)スーパーじゃ魚は買わないってこの辺の人たちは言ってたから魚を買うとしたらあっちのお店かしら。駅の近くにもう一軒魚屋さんがあるから行ってみてね。
しゃけ)ありがとうございます。
その「もう一軒の魚屋」は場所を確認したのみで今日は買いませんでした。
そこまで行かなくても地元にいい魚屋さんがあるので。
そして『スーパー』は、このたたんだお店の近くの表通りにあるのです。
同じ魚でも、パックに包まれた切り身。値札のシールがなければ何の魚かわからない。
その『なんだかわからない切り身』をレジに持って行ってお金を払う。
だからスーパーと町のお店を比較することはできません。
私の実家は魚屋ではありませんが個人商店を営んでます。
父が一代で開業して45年あまり。父の商売仲間、実家の近所では個人商店はほとんど店をたたみ、コンビニとファミレスの町になってしまいました。
実家は実質二代目(兄)が仕切っていますが、私の両親は年老いてなお「まだあいつ(兄)には任せきれない」と息巻いてます。
町のお店、大事にしたい。
お店の人と話してモノの良さを知る。これが町のお店の強み。
売る人は品物の良さ・活用法等を客に伝える。それを含めた”値段”。
売り手の人柄や商品知識が品物の価値。お店の存在意義。
買う(買った)人は出した金額に相応しい使い方(食べ方)をする。
買う人も最低限の知識を持つべきですね。
昔、笑えない話を聞いたことがあります。
水族館で子供が
「(まぐろの)切り身はどうしていないの?」
魚の姿カタチをすべて覚えろとまではいいませんが、これは本当に笑えません。
魚に限らず、野菜や果物も。
ヒントや答えは町のお店にあります。
お店の人と会話して、食べ物を美味しくいただいて。
海と山の恵みに、そして町のお店に感謝。
これ以上、町のお店が消えてしまわないように・・・
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